アルコールに溺れてしまう
入院してからは、退屈なせいか一日に一回は必ず電話がありました。
同じように入院している人のことが気になるようで、その様子を私に説明してきました。
夫が悟ったことは、社会で凄い経歴を持っている人も入院しているということ。
だから、誰でもアルコール依存症になる可能性を秘めているんだと。
私は、夫がアルコールに溺れている姿を横で見ていて感じたことは、ストレス耐性にかなり弱いと思いました。
生きていたら嫌なことや辛いことなどは誰にでも起こりうることだと思います。
一つ一つ乗り越えて人は前に進んでいるのですが、夫の場合は立ち向かわない、その前に酒へ逃げてしまいます。
問題から目をそらし回避してしまいます。
いわゆる現実逃避というやつです。
これじゃ、いつまでたっても人生辛いよねと思っていました。
困難をいくつか乗り越えた人は、そう簡単に落ちないだろう。
よくアルコール依存症は誰にでもなりうる病気だと目にしますが、私が個人的に思うに大きく分けると弱い人。
弱さは人間誰しも持っていますが、夫は弱すぎる。
だからといって、私が支えるのは夫のためではありません。
本人が自分自身を成長させようという自覚を持たねば救うことができません。
支えてくれる私がいたら、本人は目覚めないでしょう。
可哀そうに、目の前のことしか視えていないだろう。
今、支えてくれていることは永遠に続くはず。
だから、飲んでも大丈夫。
でも、酒をやめなきゃと思っている。
諸行無常。
この世のすべての物は変わりゆくものである。
永遠に優しくなんかおれない。
だって私にも人生があるし、幸せになる権利があるはずだ。
私の心も常に変化していく。
そこに気付いてない。
つづく