アルコール依存症の夫を持つ妻の物語

アルコール依存症の夫を持つアラフィフ妻です。体験談を通じて心境の変化をブログで語っていこうと思います。

底付き体験

アルコール依存症について勉強していると『底付き』という言葉が出てくる。

回復過程のグラフで底付き体験してから線が上昇していくのを目にしたことがありました。

底付きってなんだろう?

なんとなく理解しているようで漠然とした感覚でした。

 

ある日、仕事から帰宅したときにリビングで夫がうめき声を上げて泥酔している姿は、廃人でした。

それは、まるで地獄の中にいるよう。

『私がいるのは地獄だ、地獄はこの世にあるんだ』

ここにはいられない、気が狂いそうだ。

思考は停止してましたが、明日も仕事だから必要最小限の荷物を持ってここを出よう。

いや、すべての荷物を持って出ようと決めました。

車に荷物を詰め込んで無我夢中で車を実家の方向へ走らせました。

途中で携帯がないのに気づいて車を止め、会社の電話から自分の携帯に掛けました。

鳴りません、家に忘れた。

引き返そうとエンジンをかけたら、かかりません。

もう、どうしよう。。。泣き叫びました。

 

家から歩いていける距離だったので家に戻り、とりあえず携帯を見つけ出して再び家を出ました。

車が動かないことを思い出し、パニック状態だったので近くの交番に駆け込み、相談しました。

おまわりさんに車の状況を見てほしいとお願いして来てもらいました。

恐らく、エンストしているからJAFを呼んだらと言われました。

車には沢山の荷物を積んでいたのでおかしいと思ったのではということと、聞いてほしいという衝動で『夫がアルコール依存症で家出するところです』と言ってしまいました。

おもわりさんは、『アルコール依存症は専門医で診てもらわないと自力では治らない』と、私は『そうですよね』と返した。

加入している自動車保険会社に電話して『30分後くらいに伺います』ということで、おまわりさんにはお礼を言って帰ってもらいました。

待っている間、心が落ち着かず誰かに聞いてもらいたいと居ても立っても居られず、いのちの電話相談に電話してました。

夜の11時過ぎだったので電話が殺到している時間帯なのか繋がりませんでした。

何度も何度もかけましたが、繋がりませんでした。

心が疲弊してました。

 

保険屋さんが到着し車の状態を見てもらった結果、バッテリーが上がっていたそうです。

とりあえず、車のエンジンがかかり、動いたので実家に向かいました。

 

つづく

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